Voxengo CurveEQでまっ平らな周波数特性を作る
現代のポップ音楽でミックスのバランスが良いとされているものは
スペアナで見た時に周波数のグラフが大体いい感じにまっすぐ*1になるようである.
Voxengo CurveEQには, リファレンスとなる周波数のグラフに
対象の音源の周波数特性を似せる, スペクトラム・マッチングという機能が搭載されている.
そこで, リファレンスとしてなるべく平坦な音源を用意しておけば
バランスの良い平坦な周波数特性を手軽に作れるのではないかと思い, 作ってみた.
ファイル群
・.csf(Compressed Spectrum Files) ファイル*2
Flat_Spec(48kHz_8192pts_Avg).csf
・.csfファイルの元にしたBand-pass Filteredノイズ
Pink-Red_Noise_BandPass_K-12_48k24bit.zip
・オリジナルのPink-Redノイズ
Pink-Red_Noise_K-20_48k24bit.zip
・追記(同日23時頃):低域のカーブがもう少し急峻なものを用意してみた
Flat_Spec2(48kHz_8192pts_Avg).csf
Pink-Red_Noise_BandPass2_K-12_48k24bit.zip
ファイルの説明
.csfファイルはCurveEQのStatic Spectrums Editor画面で読みこめば使えると思う. 使い方の詳細は割愛.
オーディオ・ファイルのフォーマットはともに, サンプリング周波数48kHz・ビット深度24bitのモノラルwavファイル.
Pink-Redノイズは全域にわたって-4.5dB/octのパワースペクトルを持つノイズ*3.
ピンクノイズ(-3.0dB/oct)とレッドノイズ(-6.0dB/oct)をうまいこと混ぜあわせて作った.
RMSは-23.0dBで正規化したつもり.
なお周波数特性が平坦に見えることだけを目指して加工したため,
その他の目的に使用して意図した結果が得られなくとも私は責任を持ちません.
BandPassはそれを以下のようにフィルタリングしたもの:
- 50Hz以下:24dB/oct 程度で低域に向けてすみやかに減衰
- 10k-20kHz:-6dB/oct 程度のゆるやかな減衰.
RMSは-15.0dBで正規化したつもり. このフィルタリングはあくまで一例なので,
素のPink-Redノイズを加工して色々試してみていただけると良いと思う.
諸注意
ドラムやベースが入っているような周波数を上から下まで使い切るような音楽でなければ,
おそらくこの分布では低域や高域が過剰であると思われる.
出力レベルに十分に余裕を持つか, もしくは後段に適当なリミッターを噛ませるべきである.
私はリスニング目的ではLoudMaxを利用させて頂いている.
CurveEQのヘルプにも書いてあるが, マスタリング目的で使う場合は
マッチングのポイント数は少なめの方が効果が高いようである.
試した感じでは15〜30点くらいがうまく働いてくれるように見える.
なお記事トップのスペクトルおよびスペクトラム・マッチングは
Demetori - le Grimoire De reveより生成した.