ネギのメモ帳

Twitterに書ききれないことをたまに書いたりするかもしれないスペース

2011夏アニメの曲をまとめてコラボ


http://www.nicovideo.jp/watch/sm15433113

ここしばらくは毎回参加させていただいておりますアニメコラボ企画,
今回も無事上がりました. お楽しみいただければと思います!

いつものように振り返り記事!
今回は個人的ミックス技術まとめも多少兼ねてたりします.


まずキーボードの振り返りー

小物とか

・壁にかかっているのは木曜超ラジTシャツ. 特に意味なし.
明け盤発売おめでとう!/
・あといくつかの動画にコマンドーのDVD. 特に意味なし.
\アッカデエエエェェェン!!/
・最近買ったQBリストバンド. なんとなく置いてみたり,
クィッキーと融合させてみたり.
・後ろになんとなく見える宇宙は天文カレンダー. 特に意味なし!
ペルセウス座流星群は曇ってて見れませんでした!
などなど.

[04:46] ゆるゆりOP

ギターさん2人が支えてくれてたので,
キラキラピコピコなシンセ感を添える感じで. それとチュブラーベル.
チュブラーベルはMotif XSの音源がリアルすぎてピッチが怪しかったので,
16centほどピッチを上げたものを提出w
一応440Hz設定(デフォルト)のも一緒に出して,
ミキサーさんにブラインドで選んでもらったところ
やはりピッチ上げの方がマッチしてると感じられたようです.
16centという数字は耳とスペアナとを駆使して決めました.
弾いたフレーズに最適化したので, 別の音域だと
ズラすべきピッチは異なるかもしれません.


…イントロの旋律が違う? 初めて耳にした時から,
このメロディはハレルヤにしか聞こえませんでした.
公式chでも謎ハレルヤとかコメントが付いてることを知ったのは録った後w


みかしーがラジオでよくやってる\アッカリ〜ン/ のポーズを
演奏後に真似てみたものの, 若干見切れてる上に
すぐフェードアウトするので多分誰にも気づかれないねw
まあ, そのためだけにリテイクするのもなあ, とそのまま.

[13:46] まよチキ!OP

キラキラピアノで割と自由に,
リズムをキメるところはキメつつ.

[15:16] 魔乳秘剣帖 OP

今までのコラボの中で, 初めて2人で弾くことを前提にアレンジ(後述も参照)
(前回もへうげもので2人分弾いたけど,
あれはリテイク食らってから足したものですw).
まあこの曲調でGt1Key1だとさすがにちょっと寂しいですし.
白:シンセリード+キラキラ琴
赤:ストリング+Pad
分担した分1人ひとりは割とシンプル.
こういうポップな曲における和風サウンドでは,
ベル系のキラキラを足すとよく映えるという隠し味.

[18:26] 夏目友人帳OP

ピアノにほんわかPadでシンプルかつさりげなく支える感じ.
このくらいの人数のバンドMixにおいては
キーボードのPadが空間を埋めるのに割と重要だと前回学びました.
イントロのフレーズがちゃんとコピれてなくて1回リテイク(ノ∀`)

[21:27] Blood-C ED

Aメロピアノ, それ以外ストリングス.
最初合わせてみたらイントロが全然雰囲気出てなくて, リテイク.
ついでにストリングスのフレーズも
多少真面目にコピーしなおしました(´ω`)



…やっぱり「演奏してみた」なので,
重ね録りじゃなくてキーボーディスト2人でというのを大事にしたいです.
ギターなら左右chで二人分の演奏きれいに分かれてることも多いけど,
キーボード(の音色)は打ち込みで重ねてるわけですからね.
録って再現することもできるけど, それは打ち込み同期演奏と変わらないわけで,
「演奏してないじゃん!」って思うのです.
あくまで個人的なこだわりですので, 重ね録りでの表現を是とする人を
否定しているわけではないですよ. 人それぞれの哲学があると思います.

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以下はミックスの振り返り!

[01:45] 花咲くいろは OP2

とっても素直なバンドサウンド.
頂いた奏者さんの音源をほぼそのまま並べるだけ!w
クリーンアルペジオモジュレーションディレイはいつものこだわり.
上物は全体的にほんのりピンポンディレイで広げているんですが,
なんとなく爽やかというか清涼な雰囲気が出てる気がします.


コーラスは左右に振ったものをまとめてステレオコンプすると
いい感じに下がってくれるような.

[09:15] ロウきゅーぶ! OP

今回打ち込み系サウンド曲でドラムをパラで頂けたものがいくつかあったので,
積極的な音作りに挑戦してみてます. ロウきゅーぶはその1つ.
主にキックの音作りを試行錯誤(後述).
スネアは裏面強調で, アーリーリフレクション掛けて派手にスパーンと.
オーバートップのマイクは金物専用にしてかなりローカット
(ちなみに普段は割とエアーとして使います).
で, キックでベースのサイドチェインコンプも試す.
アタック・リリース最短で.
…結構ゲインリダクションしてもパッと聞きは違和感なかったと感じたんですが,
動画のコメントを見るとちょっとやりすぎてしまっていたようです, 反省
(「ベースにキレが無い」などの指摘が).


最後以外の爆発音はキックからリバーブとコンプ・EQで強引に生成
(最後のはキーボードさんの音).
やはりサビの頭に爆発音. これですよ.
Keyの音は演奏動画に合わせて音量を調整.
個人的にはシンセのリフはもうちょっと奥でもいいかなという感じ.


キックはまずフィードバックの掛けれるディストーションで歪ませる.
強くフィードバックさせつつ初期ゲインは控えめな感じにして,
なんとなく打ち込みのキックっぽい音を作る.
その後EQで60Hzと4KHzをかなり強調しつつ低域は60Hzの周りを多少削る
(Pultec EQP-1Aクローンが便利!).
リミッターでちょっと潰しつつ前にプッシュして,
最後に50Hz以下の超低域を切る.
「打ち込みの音混ぜてる?」というコメントもありましたが,
素材は純正の生キックのみです(`・ω・´)

[15:16] 魔乳秘剣帖 OP

Drは2mixなのでそこまで積極的には作れず.
とはいえマルチバンドコンプで割とドンシャリ気味にするのが
基本的には好みっぽいです.
ハイハット右なので, Aメロの刻みギターを左に振るのが基本形.
左にメインGt, 右にリードKey, 奥にサブKey, 右奥にサブGt.

[21:27] Blood-C ED

シンプルながらも「バンドでやってみました!」感が出てて
これはこれでありな気がします.
最初はもっとKeyとGtが左右に分かれる感じだったけど,
Gtをもっと左右にダブって(とは言えあくまで右に居るんですが)
ストリングスは後ろから支えるイメージに変更.
…ストリングスはオーケストラの伝統的な配置からすると左が合うと思うんですが,
ハイハットとGtのコンビネーションを考えると
左Gtの方がよかったかもしれません.

[22:58] セイクリッドセブン OP

Drはパラで頂いたので, これもロウきゅーぶと同じように派手に音作り.
スネアは表だけだったので, アーリーリフレクションを派手に掛けて代わりに.
500Hzあたりのある種スネアらしいアタック成分は割と削りました.
そのほうがスパーンて感じが出ると思います.


Baはせっかくダブルプルなどを披露していたので
プルを強調すべくマルチバンドコンプで中高域強調.
でも「前半は静かめで, サビで目立つ感じにしてください」って言われたので
コンプの音量バランスにオートメーション.
スラップなのでキックでのダッキングは多少控えめに
(あんまり抑えると低域の音量感が出なかった(´・ω・`)).


しかしプルの部分でどうしても低域の不足感が…
そこでKeyとGtが持っていた低域成分を別トラックに用意し,
定位センターでうっすらと重ねてみた.
これはキックをトリガーに半拍程度ダッキングして,
ちょうどプルの部分だけ支えるように調整.
実験的な手法だったけど結構いい感じに
埋まったんじゃないかなと思います.
ただやっぱり低域のあの厚みはスラップじゃないベースにしか
出せないんじゃないかなあ, と思ったりします><


定位は左ハイハットに対して右Gt. 左Keyで左リードGt.
サビでピアノとリードGtが一体となる感じ.


それにしてもA姉さんの音量の安定感がすごいです.
ミックスの過程でちょっと他の楽器に隠れちゃうのを補う以外は
ほとんどコンプ・フェーダーワーク要らないかもって思えるくらい.

全体

パラで頂いたドラムはまず位相合わせ.
オーバートップを基準にして, 各パーツの極大振幅直後の
ゼロクロスポイントを合わせる感じ.


Voは4kHz付近に存在するピーク(多分人によって違う)をEQでゆるく強調.
そこにかぶってくる上物は同じ帯域を避ける.
GtやKeyは軽く, コーラスは結構がっつりと.
Keyの左右に広がる音色の場合はMS処理でMidを削るのと合わせ技にしたり.
ボーカルに限らず, 強調したい楽器の特定のポイントを突いて,
かぶる他の楽器は少しずつ避けるという手法は結構有効な感触.
キックの低域(60Hzあたり)なんかは特に有効かも.


Voのコンプは最初にゆるくならして, それをべったりコンプしたものと混ぜ合わせ.
ダイナミクスを保ちつつ最低音量は上げることになってる, はず.
ゆるいコンプにはLA-2AクローンのLost Angelを使ってみてます.
フェーダーワークは積極的に書く(べったりコンプした方に書いてみてます).
音素の聴き取りにくいところが無いように細かく書くことも.


Voの居ないところでKeyやGtがリードを取る場合,
4kHz付近やMidを避けたままだと寂しいのでオートメーションで戻す.
あと各パートの低域はベースとキック以外結構削るけど,
ベースが居ないときは他で支えるために
ローカットをキャンセルするオートメーション.


メインの空間は大体ホールリバーブ+8分4分ピンポンディレイ.
ほんとにドライな曲のときはルームリバーブだったり,
バラードな曲のVoには音作りとしてプレートリバーブを合わせて掛けたり.
Dr, Ba以外のパートは大体ディレイにも送ってるかも
(ピアノなんかはリバーブと区別できないレベルで).
ベースも-30dBとかほんのちょびっとだけリバーブに送る.
同じ空間で演奏してる感を出したいのです.


バッキングギターは逆サイドにうっすらダブることもちょくちょく.
30〜50ms遅らせてfatteningっぽくするか,
空間広めの曲なら半拍ディレイを掛けてもいい感じ.
ダブった方の音源は主張を弱くするため4kHz付近をさらに削ったり
(はっきりと聞こえないけどなんか居るぞって感じ).


とにかく現在意識していることは, バンドで演奏しているんだぞっていうこと.
1人1人が主役で, どの音も耳を傾ければちゃんと聴こえる状態をまず目指す.
その上で, 特に重要なパートと支える側のパートとの距離感を取る.
それと演奏動画においては, 「動画に映っていない音」はあまり前に出さないようにしてます.
その場に「居る」人たちで音楽を作っている,
目を閉じればどのへんに誰が居るのか感じ取れるような,
そういう空気感を大事にしたいと思っています.

ミックスの参考文献
  1. エンジニアが教えるミックス・テクニック99 http://amazon.jp/dp/484561684X
  2. SOUND ENGINEERING BIBLE(ottotto) http://www.ceres.dti.ne.jp/~warnerg/SHOBI/TOSS/TOSS_opn.html
  3. The Art Of Mixing http://amazon.jp/dp/1931140456